私たちが普段利用している駅や商業施設、オフィスビル、公共施設。
何気なく利用している建物にも、一般の方が立ち入ることのない場所や、普段は目にすることのない設備が数多く存在しています。
ビルメンテナンスの仕事をしていると、そんな「建物の裏側」や「普段は見られない景色」に出会うことがあります。
今回は、これまでの業務で経験した、少し変わった建物の世界をご紹介します。
1.屋上から見える、普段とは違う景色

写真:高架水槽の清掃作業時に屋上から見えた景色
ビルメンテナンスでは、屋上に設置された高架水槽の清掃や点検を行うことがあります。
普段は立ち入ることのできない建物の屋上から、街を見渡す機会もあります。
例えば、ある施設で高架水槽の清掃を行った際には、屋上から半島の先端まで見渡せる素晴らしい景色が広がっていました。
地上から見る街並みとはまったく異なる風景に出会えるのも、この仕事ならではの楽しみです。
もちろん屋上作業では、安全確保が最優先です。それでも、普段とは違う角度から街を見ることができるのは、少し特別な経験だと感じます。
2.警察署の留置施設で排水管清掃
過去には、警察署の留置施設内で排水管の清掃を行ったこともあります。
普段、一般の方が立ち入ることのない施設ですが、そこにもトイレや排水管、給排水設備があり、定期的な清掃や維持管理が必要です。
どのような施設であっても、人が生活し、活動する以上、建物の設備管理は欠かせません。
普段はニュースやドラマなどでしか見聞きしないような施設にも、設備を維持する仕事が存在しているのです。
3.厨房の下に隠された、地下設備への入口
雑排水槽の清掃・点検では、驚くような場所に設備の入口が設けられていることがあります。
ある建物では、地下テナントの厨房内に雑排水槽への入口がありました。
厨房設備を移動すると、その下にはまるで隠し扉のような点検口が現れました。
建物の限られたスペースを最大限に活用するため、設備の配置は建物ごとに大きく異なります。
日常的に使われている厨房の床下にも、建物を支える重要な設備が隠されていることがあります。
4.地上から地下深くへ続く、長いはしご
ある施設では、屋外のごみ置場付近にある点検口を開けると、地下へ続く長いはしごが現れました。
7~8メートルほど下りた先には、分電盤や受水槽などの設備が設置された部屋がありました。
地上からは、そこにこれほど深い地下空間があるとは想像もできません。
建物によっては、普段利用するフロアとは別に、地下深くまで設備スペースが広がっていることがあります。
こうした場所を訪れるたびに、建物は目に見えている部分だけで成り立っているわけではないと実感します。
5.地下に広がる、神殿のような巨大空間

特に印象に残っているのが、配水に関する地下設備の清掃です。
地下10メートルほどの場所に下りると、そこには巨大な空間が広がっていました。
天井を支える柱が規則的に並び、その光景はまるで地下神殿のようでした。
普段は水を貯留したり、配水を処理したりするための施設ですが、その規模や構造は想像を超えるものでした。
地上からはその存在すら分からない、巨大な地下空間。
こうした場所に立ち入る機会があるのも、ビルメンテナンスという仕事の特徴です。
6.工場では、ものづくりの現場を知ることも
工場の清掃や設備管理では、製造設備や生産工程の一部を目にする機会があります。
普段、私たちが何気なく使っている製品が、どのような設備や工程を経て作られているのか。
工場によって設備の種類も、建物の構造も、求められる清掃方法も大きく異なります。
例えば、クリーンルームに入り徹底した埃対策が必要な工場もあれば、油汚れへの対応が必要な工場もあります。
その施設が何をしているのかを知ることが、適切な清掃や設備管理につながります。
さまざまな業種の現場を訪れることで、社会のものづくりを支える仕組みに触れられるのも、この仕事の面白さです。
7.駅や大規模ビルの監視室から見える世界
駅や大規模な建物には、防犯カメラや各種設備の稼働状況を確認する監視室が設けられていることがあります。
駅の監視室では、施設内のさまざまな場所に設置されたカメラなどを通じて、安全を守るための確認が行われています。
大規模ビルでも同様に、共用部や建物周辺の状況を確認することがあります。
日々の管理を続けていると、建物には一定の生活リズムがあることにも気づきます。
朝早くから出入りする人、毎日決まった時間帯に利用する人、夜間に働く人。
建物は単なる構造物ではなく、そこで活動するさまざまな人々によって成り立っていることを実感します。
8.オフィスに入ると見えてくる、会社ごとの雰囲気
空気環境測定の仕事では、オフィス内に立ち入り、温度や湿度、二酸化炭素濃度などを測定することがあります。
この仕事をしていると、会社によって職場の雰囲気が大きく異なることに気づきます。
例えば、社員の方々が黙々とパソコンに向かい、ほとんど会話が聞こえない静かなオフィスもあれば、あちこちで打ち合わせや会話が行われ、活気にあふれているオフィスもあります。
業界による違いを感じることもあれば、同じ業界でも会社によってまったく異なる雰囲気を感じることがあります。
デスクの配置やオフィスの使い方、社員同士のコミュニケーションなどにも、それぞれの会社らしさが表れています。
もちろん、短時間の測定だけでその会社の社風を判断できるわけではありません。それでも、さまざまな企業の職場を訪れることで、働き方や職場環境の多様さを実感します。
建物の設備だけでなく、そこで働く人々や会社ごとの雰囲気にも触れられる。
これも、多くの施設に出入りするビルメンテナンスならではの面白さだと思います。
9.まだまだある、建物の知られざる世界
このほかにも、ビルメンテナンスの仕事には、普段見られない場所や設備に触れる機会があります。
例えば、次のような場所です。
- 舞台やホールの裏側:観客席からは見えない舞台裏や、照明・空調などを支える設備空間
- 商業施設のバックヤード:多くの店舗を支える搬入口や廃棄物保管場所、設備室
- 建物の機械室:空調機やポンプなど、建物を動かすさまざまな設備が集まる場所
- 天井裏や床下の設備空間:普段は見えない場所に張り巡らされた配管や配線
- 学校や公共施設の設備室:多くの人が利用する施設を陰で支える機械や設備
建物によって構造も設備も違うため、同じ仕事であっても、現場が変われば新しい発見があります。
9.さまざまな施設を管理するからこその面白さ
ビルメンテナンス会社の中には、オフィスビルやマンション、商業施設など、特定の建物用途に特化している会社もあります。
一方、日装では、ホテルと病院を除き、施設の用途を限定せず幅広い建物の維持管理に対応しています。
オフィスビル、商業施設、工場、学校、公共施設、駅関連施設など、建物の種類が異なれば、必要な管理内容も異なります。
さまざまな建物に関わることで、設備や管理方法に関する知識が深まるだけでなく、普段は知ることのできない社会の仕組みに触れることができます。
また、一つの施設でも、清掃だけでなく、給排水設備、空調設備、消防設備など複数の業務を担当することで、建物をより深く理解することができます。
施設の種類や業務を限定しすぎないことは、技術や経験の幅を広げることにもつながっています。
10.ビルメンテナンスは、社会の裏側を知る仕事でもある
ビルメンテナンスというと、清掃や設備点検など、地道な仕事をイメージされる方が多いかもしれません。
もちろん、日々の業務の中心は、決められた作業を安全かつ確実に実施し、建物を良好な状態に維持することです。
しかし、その仕事を通じて、普段は見ることのできない場所に立ち入り、さまざまな建物の仕組みを知ることができます。
建物ごとに異なる構造や設備、人々の活動に触れることで、新しい発見があるのです。
施設の安全や防犯、守秘義務の観点から、具体的な場所や詳細をご紹介することはできませんが、ビルメンテナンスには、こうした「社会の裏側を知る面白さ」もあります。
弊社では、神奈川県の湘南・西湘エリアを中心に、さまざまな建物の維持管理に携わっています。
建物を支える仕事に興味がある方には、ぜひこうしたビルメンテナンスならではの世界も知っていただければと思います。
ビルメンテナンスの面白さは、普段は入れない場所を見られることだけではありません。さまざまな業界の仕事場を訪れ、建物の構造や設備、そこで働く人々の姿を通じて、社会の多様な一面を知ることができる点にもあります。
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